銀座ピアースビル1階・洋菓子店ピエスモンテ
宝石のような美しいケーキが並ぶ中、ひときわ目をひく赤と黄色のお花のケーキ。
小笠原諸島の母島から直送されたパッションフルーツをゼリーとムースに仕上げた大人のデザート「パッション」
今回はパッションフルーツについてのお話を少し…
パッションフルーツとは、パッションフラワーの果実。
日本では、花の形が時計盤に似ているのでトケイソウと呼ばれていて、サボテンに咲くような豪華な花は鑑賞用として人気があり、様々な種類があります。
果実は主に南国で収穫され、その名の「パッション」から、私はずっと「情熱の果実」だと信じていました。
真っ赤な表皮と、黄色の中身、甘ずっぱい味…
全てが南国の象徴であり、「情熱」に相応しいネーミングだと思ったものです。 南国美女が籠いっぱいのパッションフルーツを抱えて微笑んでいる姿を容易に想像できませんか?
ところが!
3年前に南米に旅行した折、ガイドさんから自生しているパッションフラワーの説明を受けて、大変驚いてしまいました!
日本人には時計の針に見える雄しべの形ですが、中南米に派遣されたキリスト教の宣教師たちは、これを「キリストの磔の形」として「受難」を表す「パッション」と名付け、その後、布教に利用した、との事です。
従って、英単語のpassion は一般的に「情熱」ですが、この花と果実の意味は「受難」であって「情熱」という意味合いは全く無い、との事なのです。
passion=受難とは… 我々には馴染みの無い単語ですよね…
そう言えば、10年くらい前に、メル・ギブソン監督の「パッション 原題 The Passion of the Christ」と言う映画があって、キリストの凄惨な拷問と磔の話でした。
映画館に見に行った筆者ですが、その時もまだ、passion=受難と認識していなかったよう? でした…
由来を知って、勉強にはなりましたが…
「キリスト受難の果実」って…重過ぎる意味合いですよね…
筆者にとっては、いつまでも「情熱の果実」であった方が嬉しかったかもしれません
で・も
ピエスモンテの「パッション」は、南国情緒豊かな逸品デザート
濃厚な味わい、程よい酸味、とろける食感… ひと口でシアワセな気分になれる事、間違い無しです
このデザートには、よく冷えたシュワシュワのシャンパンが合いそうですよ。
季節限定の「パッション」 ぜひ ご賞味ください。