サンタクロースの起源が、貧しい人々に施しを行った聖ニコラスである事は良く知られています。 赤と白の衣装は、コカ・コーラのイメージカラーをまとったサンタクロースのイラストを広告に使ってから定着した、という話も有名ですね。
今回は (少し前で恐縮ですが) 2005年のフィンランド旅行の折 「本物のサンタクロース」 に貰ったプレゼント(?)のお話を書いてみました。
フィンランドのラップランド州の州都ロバニエミから
8キロ北に行くと北極圏の境界ラインがあります。
サンタクロースの住む 「サンタクロース村 Santa Claus' Village」 は、その真上にあります。
テーマパークであり観光スポットですが、アトラクションはなく、オフィスと郵便局、数件のグッズショップと近くにトナカイ牧場があるだけの簡素な施設です。
それでも、世界中から観光客がやって来るのは、
「本物のサンタクロース」 に会うためです。
施設の真ん中にオフィスがあって、サンタクロースはそこで、世界中から届く手紙に返事を書くお仕事をしています。そして謁見の時間になるとサンタクロースの部屋に現れ、順番に訪問者とお話ししたり写真を撮ったりします (もちろん有料…)
実は、サンタクロースはラップランド州の公務員です。公認サンタは常時10人くらいだと聞きました。 ローテーションを組み世界中にでかけPRや奉仕活動を行うそうです。
数ヶ国語を話し、ホスピタリティが必須のエリート公務員のようです。
係りの人に案内され、謁見部屋に入ると、そこにはイメージ通りの大きな身体のサンタクロースが微笑んでいて
「コンニチハ。オナマエハ?」 と日本語で語りかけ一緒に写真撮影。 その後、少しだけお話ができます。
筆者が 「オーロラを見に来たのに、まだ一度も見られない。今日は見れるでしょうか?」 と尋ねると、満面の笑みで、ゆっくりと丁寧に英語で答えてくれました。
「オーロラは天からの贈り物だから、いつもあるのですよ。でも、雲が隠してしまう。今日はいい天気だからきっと見られますよ。私を信じて」 大きな手で、筆者の手の甲をポンポンと叩いてウィンクを! 何とも、お口の上手なチャーミングなサンタクロースでした。
筆者は、ラップランドの最北端から南下して来たので、もう殆どオーロラを見るチャンスは残されていませんでした。 ロバニエミは緯度的に観測ギリギリの地点であり、街の灯りがオーロラ観測には向いていないとの事… 翌日にはヘルシンキに移動です。
でも、サンタクロースの言葉を信じて(?)、最期の夜に期待し、一晩中粘ってみようと決めました! 午後3時には真っ暗になってしまうので、夜はとても長いのですけど…。
ホテルから徒歩10分ほどの所に見通しの良い大きな川があります。夕食後、ツアーの仲間たちが自然と集まって来て、祈るようにずっと空を見上げていました。
皮膚の感覚が無くなるような寒さで、段々と人が減り始め、筆者も諦めてホテルに戻ろうと歩き出した時、後方から歓喜の声。 「ねぇ、少し緑っぽくない?」
急いで河川敷に戻ったら! 目の前に緑色の光がうねうねと現れたのです!
それから約15分くらいでしょうか? 変幻自在のオーロラショー。
よく 「なびくカーテンのよう」 と言いますが、確かに一時として同じ形をしていません。
ゆっくりと、浮かび上がるように、濃淡をつけながら消えては現れ…
手が届きそうなくらい低いところまで降りてくるようにも感じました。
もっとずっと北の森林地帯での滞在3日間に見られなかったオーロラが、たった一晩の北極圏最南のロバニエミの街で見られるなんて、何てラッキーなんでしょう
これは、やっぱりサンタクロースからの贈り物だったのでしょうか…?
感動のエピソードとして、そう信じることにいたしましょう。
2011年12月10日 昨夜は皆既月食でした。
ベランダで寒い中 月を眺めていたら、当時の感動が蘇ったので書いてみました。
posted by 銀座ピアースビル at 00:02|
季節のお話
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